既存製品の再発明

急速に変化する世界において、顧客の新しいニーズを満たすために、私たちの業界は継続的に適応し、イノベーションを続けなければなりません。まったく新しい製品を作るのも1つの方法ですが、製品を改良して新しいソリューションを提供することも、トレンドの変化に対応するための手段です。

需要のあるところに道あり

昨今の産業界は、あらゆる面で混乱に直面しています。各国政府は、二酸化炭素排出量の削減とエネルギー効率の向上を目的とした環境規制をますます強化しています。これらの規制は、自動車からスーパーマーケットの棚に並ぶ商品まで、さまざまな産業の製造工程に影響を及ぼしています。

市場の需要の変化には、消費者も重要な役割を果たしています。新たな国際的調査によると、消費者の3分の1は、社会や環境に配慮していると思われるブランドからの購入を選択するようになっています¹。その結果、企業は持続可能性の目標を達成するために、再生可能性の高い、またはより地球に優しいソリューションを事業の一部として導入するようになってきました。デジタル化と同時に、アナリティクスや人工知能に対する需要が高まり、多くの業界は、自分たちのビジネス手法にデジタル世界をどう活用できるかについて改めて考える必要に迫られています。

さまざまな混乱要因の中でも、特にChemours（ケマーズ）や同様の企業に影響を及ぼす2大要因は、環境規制の強化と、耐久性のある高性能な製品に対するかつてないほど強い市場の需要です。

私たちはこうした課題を、必要不可欠で信頼できる製品を再発明することによって、革新的な発想への道を切り開くための決定的な機会と捉えています。化学そのものの限界を押し上げることであれ、既存製品の用途を拡大することであれ、真のイノベーションに向かう手段としての再発明がこの業界には不可欠です。

温暖化のない地球のための分子の進化

カーボンフットプリントの最小化に向けた規制の動きに対応するため、私たちは既存の化学の枠を超えて製品を強化してきました。Opteon™（オプテオン™）低地球温暖化係数（GWP）冷媒はその一例です。

クラウドを可能にする巨大なデータファームやサーバーファームでも、都市間で新鮮な野菜を輸送するトラックでも、共通して使用されているのが冷媒です。これらの冷媒の分子をハイドロフルオロカーボン（HFC）からハイドロフルオロオレフィン（HFO）に進化させることにより、Opteon™（オプテオン™）冷媒は、性能を犠牲にすることなく、持続可能性の目標を達成しています。

新たなニーズに対応するために欠かせない点の見直し

Chemours（ケマーズ）は、既存製品の用途を異なる業界に広げることにより、既存製品を再発明する革新的な他の方法を見出しています。消費者が高速性と携帯性によるコネクティビティの向上を求める中、私たちはこれを機に、高性能な製品の用途を再発明しました。

もともと1957年に航空宇宙産業向けに発売された製品であるViton™（バイトン™）は、今では仮想現実、拡張現実、フィットネストラッカー、カメラ、スマートウォッチなど、多くのウェアラブルテクノロジーデバイスに欠かせない素材となっています。耐久性、低摩擦性に優れたこのフロロエラストマーには、消費者の需要を満たす革新的な技術を可能にする特性があります。

焦げ付き防止調理器具の定番製品であるTeflon™（テフロン™）PTFEは、今ではモノのインターネット（IoT）にも貢献しています。ケーブル、配線、アンテナ、半導体製造など、あらゆるものがPTFEに依存しています。高い圧力と温度に耐えることができるTeflon™（テフロン™）PTFEは、キッチン以外の場所でも顧客の需要に応えることができます。

目的のある再発明

「どんなに変わった製品や面白い製品であっても、単に「できるから」という理由のみで生産したり、再発明したりはしません」とアドバンスト パフォーマンス マテリアルズ プレジデントであるGerardo Familiarは述べています。「それよりも、私たちは顧客中心であるというコミットメントを反映した、価値ある製品の開発に尽力します。顧客のニーズと目標を最も強く後押しするという意味では、Chemours（ケマーズ）の私たちが一番の支持者です」

世界がますます速いペースで変化し続ける中、私たちは顧客の声に耳を傾け、顧客のパートナーになることを重視しています。私たちの化学は、顧客が課題を解決できるような付加価値のある再発明を提供してこそ、プラスの影響を与えることができると考えています。

革新的な製品を求める顧客のニーズに応えるために化学産業が既存製品をどのように再発明しているのかについて詳しくは、Chemical & Engineering News（C&EN）の記事をご覧ください。